桜と逃亡
- JIROKEN
- 5 日前
- 読了時間: 2分

秩父・木の家専門店 夫婦で営むJIROKEN工務店土屋賢次郎です。
春が来ました。
風はやさしく、光はやわらかく、あのサクラも今年も見事に咲きました。
事務所から歩いてたったの1分。
でもその場所には、家族の思い出がぎゅっと詰まっています。
毎年恒例のお花見ランチ。
今年も妻の手作りお弁当を広げて、家族3人並んでほっとひと息。
「やっぱり春っていいね」誰かがそう言った瞬間、ふと思い出す出来事があります。
🐾数年前の“春の逃亡劇”
あれはまだ息子が小さかったころの春。
同じようにサクラの下でランチをしていた、ほんの少しの時間でした。
愛犬Phooが、ちょっと目を離したすきに、脱走したんです。
「え!?どこ行った!?」
慌てて立ち上がる私と息子。
Phooはご機嫌な様子で、隣の坂本さん家の庭へ一直線。
坂本さんのおばあちゃんが、庭先で洗濯物を干していたその瞬間……いきなり犬がダッシュで飛び込んできて、当然びっくり。
「な、何が起きた!?だ、大丈夫かい?」
私、息を切らしながら答えるのが精一杯。
「い・い・犬が……犬がにげまして……!」
息子KSKも真剣な顔で叫ぶ。
「パパ!僕は崖の上を追うよ!パパは崖の下ね!もしPhooが落ちたらキャッチしてね!……僕がもし落ちてもね!」
——いや、君の命も軽く預けすぎじゃない?
パパ緊張するからやめて。
そして、数秒後。
「パパ!パパァ!!」
「ど、どうしたKSK!どうした!?」
「パパ……Phooちゃん、つかまえたよ!」
崖の上で、満面の笑みとともに、愛犬を抱いた小さなヒーローが立っていました。
今年のサクラは、いつも以上に優しく揺れて見えました。
家族と笑い合いながら、過去の出来事を思い出し、あらためて感じるのです。
何気ない毎日こそが、人生の宝物。
今年の春も、またひとつ、あたたかな記憶になりました。
来年も、その先も、ずっとこんな時間を大切にしていきたい。
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