
秩父にもついに雪が降った。
朝、家の前に積もった雪を見て、息子KSKが目を輝かせた。
「パパ、雪だるま作ろう!」
家を建てる大工さんが「材木を見たら家が浮かぶ」ように、KSKは雪を見たら「雪だるま」が浮かぶらしい。
そういう発想の柔らかさは、大人も見習いたいもんだ。
最初はKSKが適当に丸めて作ろうとしたが、職業柄、つい口を出してしまう。
「下の球は、どっしり安定感が大事だな。基礎工事みたいなもんだ。」
「バランスを考えて、上の球は少し小さめがいい。」
「目の位置も大事だぞ。配置ひとつで表情が変わる。まるで窓のデザインみたいだ。」
気づけば、普通の雪だるまを作るだけなのに、妙に熱が入る。
息子は少し呆れ顔だったが、最終的には「パパの言うとおりにしたら、なんかカッコよくなった!」と満足げだった。
木の家は100年、200年と生き続ける。
だけど、雪だるまは数日で消えてしまう。
それでも、一生懸命作った時間は、ちゃんと心に残る。
建築も、雪だるまも、「作る過程」を大切にするのが、本当のものづくりなのかもしれない。
そんなことを考えながら、KSKと並んで雪だるまを眺める。
「この雪だるま、何日持つかな?」
「溶けちゃっても、また作ればいいじゃん!」
そうだな。
家も、雪だるまも、人生も。
何度でも、楽しみながらつくればいい。
— JIROKEN工務店、冬の一日。
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